相続人が複数いる場合、遺産分割協議をするにあたっては、必ず共同相続人全員が参加しなければならず、
 一人でも不参加者がいればその協議は無効となります。
  それは、遺産分割協議が相続人全員の意思かどうか確認するために、全員参加が要件となるからです。
  したがって、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を収集・調査し、相続人を確定する必要があ
 ります。

◆ 戸籍の読み方、調べ方 ◆


 1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本の収集・確認します。

    戸籍の読み方、調べ方は、複数の相続人がいる場合、正確に把握することが困難な場合や、時間がかかる
   ケースがありので、注意する必要があります。
  
   ① 戸籍で調べて初めて見つかる相続人ケース
     先妻の子、正妻以外の子の認知等
   ② 戸籍で調べたら実は相続人ではなかったケース
     再婚の場合の連れ子(養子縁組をしていない子)等
   ③ 編成後の新戸籍に移記されない事項があるケース
     転籍、改製の場合、転籍前や改製前に除籍された人の情報は移記されない等
   ④ 戸籍の管外転出の場合その時点で在籍する者のみを移転するため、除籍された者は移記されない。その
     ため複数の市町村にまたがり多数の戸籍があるケース。
     相続人の確定には、これらの内容に留意し、全てを収集し確定しなければならないので時間がかかって
    しまうケースがあります。
    
 2.相続人の戸籍謄本を収集・確認します。

    推定相続人の範囲を確定するにあたって、場合によっては被相続人の父親の戸籍や兄弟姉妹の戸籍の収集
   する必要があります。
    また、推定相続人が既に死亡している場合は、代襲・再代襲相続人いるかなど調べなければなりません。
    そのため全て収集し確定するのに時間がかかってしまうケースがあります。

◆ 相続関係図の作成 ◆

    家系図のようなものですが、相続が開始するときに被相続人と相続人との関係がわかるように一覧にした
   図面です。
    被相続人と相続人の氏名や生年月日、本籍や住所、続柄などを記載しているので誰が相続人になっている
   のかすぐにわかります。
    行政書士が作成することによって「事実証明に関する書類」として有効な書類となります。

  (参考)
    平成29年5月29日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用することができる
   「法定相続情報証明制度」がスタートしました。
    この制度を利用することによって、各種相続手続(不動産相続登記、金融機関への相続手続等)で必要
   な全ての戸籍謄本を何度も出し直す必要がなくなります。
    *相続で必要となる書類は、各機関で異なりますので、必要な書類は事前に各機関に照会する必要があ
     ります。



 ◆ 自筆遺言書の検認 ◆


    自筆遺言書が発見された場合、家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
    遺言書の保管者又は発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、
   その「検認」を請求しなければなりません。
    *検認は証拠を保全する手続きであり、遺言書の有効・無効を判断する手続きではありません。
   *期間:家庭裁判所に検認の申立てをしてから約1カ月程度かかります。
       戸籍謄本の収集や申立て準備を含めると、行動を起こしてから2カ月程度かかります。

◆遺言書の検認の申立書(様式・記入例)松山家裁(HPへ)

 

〈サポート内容〉
   □ 戸籍の取り寄せ代行
   □ 相続関係説明図の作成
   □ 相続人の捜索、住所の確認
   □ 遺言書の検認支援